Archive for the ‘合同会社’ Category
合同会社は株式会社より安く作れる?
合同会社は株式会社より安くつくれる?
★設立時の費用だけで判断してないですか?
創業時での絶対に必要な初期費用が安くできるといった考えから合同会社を選択する起業家のケースも見受けられるかもしれませんが、世間一般の認知度や信用、会社のイメージなどで、合同会社ではどうしても株式会社にはかなわない場合もあります。
会社の種類をよく理解している、あなたを含めた起業家の間の中ではそのようなイメージ等はあまり関係ないかもしれませんが、一般的な消費者の層はなんとなく株式会社の方が大きい会社なのかなという意識を持っている方々が多いのは事実です。
Amazonやappleが合同会社であると聞いて驚く人が大半であると思います。
Amazonやappleは日本の巨大な株式会社と比較してもはるかに時価総額では多いわけですからね。
この株式会社が大きいイメージは会社法が改正される前には有限会社と株式会社が存在しており、その中では有限会社の最低資本金が300万円で、株式会社の最低資本金が1000万円となっていましたので、規模の大きな会社が基本的に株式会社となっていたイメージが引き続き存在していることが大きいものと思われます。
この心配は会社法が改正されて合同会社が作れるようになってから、アップル、西友、モンスターエナジーなど世間的にも名前が知られている会社が合同会社であることを知っている起業家のあなたであれば、起業する段階であなたの会社を合同会社にするか株式会社にするかをよく考えて選択されることと思います。
一概に合同会社だから小さく、株式会社だから大きいのだとは断定的には言えなくなっているわけですね。
ただし、会社設立段階で必須の費用である登録免許税などは明らかに合同会社のほうが株式会社よりも安く作れることは事実です。
★変更には結構費用がかかるもの
一度合同会社を設立して、あとで思い直して株式会社に変更すると、余計に費用がかかってきます。
あなたが明確な目的があって合同会社を設立するのであれば全く問題ないとは思いますが、起業時の資金節約という1点のみから株式会社でなく合同会社を選択したのち、事業が進み始めた後で株式会社に変更したいと思ったときに手続きの煩雑さに参ってしまうということのないように、よく考えて選択してください。
単純に金銭面だけで判断せず、長期的に見て合同会社と株式会社のどちらがあなたの事業にはふさわしいのか、熟慮のうえで判断しましょう。
合同会社と株式会社で一番異なるのは登録免許税の支払う金額になりますが、事業を開始して売上が上がった段階で変更するつもりなら、迷わず株式会社を選択しておきましょう。
登録免許税の15万円と6万円を迷って後からさらに高額な変更手続き費用がかかったのでは目も当てられませんよね。
会社の形態を変更すれば、これまで使用していた会社の備品などにも変更する必要があるものが発生しますので、予期しなかった支出に頭が痛くなることもあるので覚えておいて損はないでしょう。
合同会社に関しては「合同会社の特徴を知ろう」も参考にしていただきたいです。
合同会社設立に必要な書類
合同会社設立に必要な書類
・合同会社の設立登記申請をするまでに必要な書類は、株式会社に準じるものが大半ですが、合同会社と株式会社との大きな違いを述べておきたいと思います。
・合同会社は会社法が改正されたときに、有限会社が廃止されたことにより、その部分を補う意味でできた形態の会社とも言えますので例外もありますが、一般的には株式会社よりも小さな会社に利用されるケースが多いようです。
1.定款に公証人の認証が必要ありません。
※株式会社では定款(会社設立時の定款のみ)の公証人の認証が必要になり、この費用だけでも5万円程度かかることになりますので、合同会社にする場合には、公証人の定款認証の費用が節約できることになります。
2.役員の名称が取締役ではなく業務執行社員です。
3.代表者の名称が代表取締役ではなく代表社員です。
4.設立時の出資者の名称が発起人ではなく設立時社員です。
○設立手続きの手間を省くために合同会社を選択しても、結局は株式会社と変わらないこともありますので、設立する会社を株式会社にするか合同会社にするか迷っている起業家の方も、一度じっくりと必要な書類であったり、設立に必須な費用であったりと、いろいろな事を見直したうえで設立する会社の形態を考えてみてください。
★有名な合同会社の例
あまり聞かない合同会社なのですが、意外にも有名な会社が合同会社であるケースもありますので、ここでは合同会社という形態も利用されているという証拠に誰もが知られている合同会社を少しだけ挙げていこうと思います。
・モンスター・エナジー・ジャパン
モンスターエナジーはアメリカのエナジードリンクメーカーです。
モータースポーツをはじめスポーツ観戦が好きな方は、選手がよくモンスターエナジーの緑色のマークが描かれたドリンクボトルを持って飲んでいるシーンをご覧になったことがあるでしょうから、よくご存知かもしれません。
日本でもほぼすべてのコンビニエンスストアにてエナジードリンクコーナーで売られていますので、飲んだことがなくて気にしてなかった場合には一度確認してみるのもいいでしょう。
世界最大のエナジードリンクメーカーであるオーストリアのレッドブルと並ぶ世界的にも巨大なエナジードリンクメーカーの日本法人が合同会社というのは意外なのではないでしょうか。
・西友
おなじみのスーパーである西友も実は合同会社であったりします。
別に合同会社だからといって、他の株式会社形態のスーパーよりも品揃えが劣っているなんてことはありませんよね。
あくまでも経営者の判断で合同会社を選択したわけで、お客様には特に問題ないですよね。
・アップル
日本では大好きな方が多数存在するアップルの日本法人も合同会社となっています。
・アマゾンジャパン
世界最大の通販サイトを運営するAmazonの日本法人も合同会社です。
Amazon創業者のジェフ・ベゾス氏は世界の長者番付でMicrosoft創業者のビル・ゲイツ氏に次ぐ2位の8兆円近い資産を持っているとされていますが、そのようなオーナーが存在しているのに日本では合同会社として活動しているというのは、驚く方が多いのではないでしょうか。
合同会社=小さなものと思っていた方にはびっくりする出来事だと思いますが、合同会社でも決して不利なわけではないので、起業家の方の判断次第と言えると思います。
合同会社の金銭面に関しては「合同会社は株式会社より安く作れる?」をご覧いただけたらと思います。
実際に合同会社をつくろう
- 定款作成の準備
・定款(その会社のルールを記載したもの)とは、会社の目的や組織、業務などについて基本的なルールを定めたものです。
(1)商号について(使用できる文字、類似商号など)
・商号とは、会社の名前のことです。
・合同会社の商号を決定する際に、以下のルールに注意しなければなりません。
①「合同会社」という文字を商号中に使用すること。
(例)「〇〇〇合同会社」「合同会社〇〇〇」
②会社の一部門を示す文字は使用できない場合がある。
(例)「合同会社〇〇〇埼玉支店」
③使用するために、一定の要件や許認可が必要なもじがある。
(例)「銀行」「消費生活協同組合」「信託会社」「保険会社」「証券会社」
④使用できる文字には制限がある
・使用可能な文字は、漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字、アラビア数字や「&」「’」「-」「.」「・」等の符号となります。
➄「合同会社」を略することはできない
・「(合)〇〇〇」
(2)目的について(目的の決め方、許認可との関係での問題)
・目的とは、設立する会社が行うビジネス(事業)の内容のことです。
・目的を定める場合の注意点は次の通りです、
①将来行うかもしれない事業も記載しておく
・事業目的を定める場合には、現実に営んでいる事業やすぐに始めたい事業だけでなく、将来的に営もうとする事業も記載しておくほうがよいでしょう。
・目的の数に制限はありません。ただし、「適法性」「営利性」「明確性」を具備していなけらばなりません。
・「明確性」については、当該会社がどのような営業活動をするものであるかを「第三者」が判断できる程度に明確にしておく必要があります。
・目的の最後に、「前各号に附帯する一切の事業」と記載しておけば、さらに目的の範囲が広がります。
②許認可を要する業種
・事業の開始時に許認可を要する業種(建設業、宅建業、労働者派遣事業、産廃業、酒類製造業、薬局、質屋、古物商、飲食店業、銀行業、ガス事業など)が入っているときは、関係行政庁に打診しましょう。
(3)本店所在地について
・本店所在地とは、本社を置く住所のことです。
・定款に記載する方法は2種類あります。
① 町名・番地まで記載する。
(注)本社を移転すると必ず定款の変更手続きが必要になります。
② 最小行政区域を記載する。
・最小行政区とは、「市町村」及び「東京23区」と「政令指定都市の区」のことです。
(注)本社を最小行政区内(同じ市区町村内)の移転ならば定款の変更手続きは不要です。
(4)社員について(社員とは何か)、業務執行社員、代表社員とは
・合同会社の社員とは、合同会社を設立する際に必要なお金を出資する人のことを言います(株主=社員の意味です)。
・会社を設立する際にお金を出資する人は、必然的に社員として定款に記載しなければなりません。
・合同会社の社員として法人、つまり他の株式会社が合同会社の社員になることも可能です。
その場合には、その法人の取締役会などで合同会社の職務を執行する人を決めなければなりません。
ただし、法人が「業務執行社員」にならない場合には職務執行者をきめなくてもよい場合もあるようです。
・合同会社の社員(出資者)には、原則として会社の代表者として業務執行権と代表権があります。
そのため、他の会社との取引など重要なことも、1人ひとりの社員(出資者)の名前と印鑑だけで契約を取り交わすことができます。
(5)業務執行社員とは
・複数名で合同会社を設立した場合、社員(出資者)全員が経営に参加するなら問題はないのですが、「お金は出すけど経営は面倒なのでやりたくない」もしくは、「経営は経験豊富な〇〇さんに任せたい」等の理由から、経営に参加したくない方もいると思います。
このような社員(出資者)がいる場合は、「業務執行社員〇〇」と定款に定めることにより、業務執行権のある社員と業務執行権のない社員に分けることができます。
・定款に業務執行社員を定めた場合、その社員は「会社経営に参加する社員(業務執行社員+出資者)であり、業務執行社員として記載しない社員は、「出資はするが経営には参加しない者(単に出資者)」となります。
(6)代表社員とは
・代表社員とは、会社の代表者を示す名称です。
・業務執行社員を定款で複数名(2名以上)定めた場合(さだめなかった場合も)は、社員それぞれが代表権を持つ社員(出資者であり、業務執行社員であり、代表社員である者)が複数名(もしくは全員)存在することになります。
・複数名(もしくは全員)の社員(出資者)が会社の代表権を持ってしまうことは、
「誰がその会社の代表者か(責任者は誰か)がわからない」
「各社員がそれぞれ勝手に契約(意思表示)してしまう可能性がある」
「きちんと他の役員の間で意思が統一されているかわからない」等、
取引を不安にさせてしまいます。
・そのようなトラブルを防ぐために、株式会社等のように「会社を代表する者」を1人(もしくは数名)に決めておくとよいでしょう。
(7)資本金について
・資本金は1円以上で設立可能です。
・資本金額は登記事項ですので、履歴事項全部証明書(登記簿謄本)にはバッチリ記載されます。
履歴事項証明書は誰でも数百円で取得可能ですので、誰かがあなたの会社の資本金額を調べようと思えば、いつでも調べられるわけです。
・資本金額とは信用性の指針の1つなのです。
・資本金は、万一の際(倒産時)には返ってこないお金ですので、資本金を多く設定するということは信頼性の表れであり、事業にかける熱意・真剣度の表れとも言えます。そういう意味では、あまり過少にならず、かつ倒産時に痛手を負わない金額で考え、設定することをお勧めします。
・資本金は、そのまま使うことのできないお金ではなく、会社設立後は自由に事業用に使えるお金ですので、3~6か月程度の運転資金額を資本金として設定しておけばよいでしょう。
(8)社員の出資の目的(有限責任社員にあっては金銭等)及びその価額または評価の標準
・「社員の出資の目的及びその価額または評価の標準」とは、合同会社を設立する際に社員となる者が資本金として振り込む金額(または、現物出資した場合には、その現物の評価額)のことをいいます。
・合同会社の各社員は出資義務を負い、信用や労務の出資(合名会社、合資会社の無限責任社員は認められる)は認められておらず、また設立の登記をする時までに出資金額の全額振込みを要します。
・社員が1人の場合は、「社員〇〇出資金額〇〇万円」と記載し、社員が複数名いる場合には、「社員〇〇出資金額〇〇万円。社員〇〇出資金額〇〇万円。」というように社員数と各自が出資した金額をそれぞれ記載します。
(9)公告の方法
・「公告」とは、法律で決められた出来事(決算や合併、分割、組織変更、解散等)が起きた場合に、その事柄を広く一般に知らしめることを言います。
・手段としては、次の3つの方法があります。
①官報に掲載する
・「官報」は国が発行する機関誌で、決算公告の掲載料は、約5~9万円となっています。従来から幅広く利用されてきた方法で、最もポピュラーな方法です。
②時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する
日刊新聞紙はコストがかかりすぎてしまうので、中小企業には使いにくい方法です。
③電子公告に掲載する
・「電子公告」自社のホームページを利用して公告を行うことです。
・費用については、電子公告の場合、登録を受けた調査機関の電子公告調査を受けるものとされており、調査機関ごとに異なります。
公告の種類や期間によっても異なりますが、最低でも約13万円の費用がかかってきます。
・官報とは異なる条件
①貸借対照表などの全部の掲載が必要
②5年間継続して掲載することが必要
③合併、資本減少、組織変更など決算以外の公告では調査機関の調査が必要
・電子公告による方法をとる場合は、定款には「電子公告により行う」旨を記載するのみで、計算書類が掲載されているページのURLを定款に記載する必要はありません。
公告はほぼ決算公告のみで、コストをなるべく抑えたいということであれば、電子公告は利用しやすいかもしれません。
・公告方法はあくまで官報としておき、解散書類をホームページなどの電子公告を利用して電磁的に公開するという方法をとることも可能です。
・公告方法を定款で定めなかった場合は、自動的に官報に掲載することになります。
(10)合同会社における経営の意思決定
・合同会社は、定款で特別に業務執行社員等を定めなければ、合同会社の社員(出資者)全員が会社の代業者となるので、すく数の出資者で合同会社を設立した場合、会社の経営に関する意思決定は、原則、出資者全員の過半数の同意によりおこなうものとされています。
・定款で業務執行社員を限定した場合は、業務執行社員の過半数で決めることになっています。
・業務執行権を持つ社員の人数が多い場合には、「過半数」では、いつまでたっても意見がまとまらない可能性があります。そのため、定款で意思決定の方法を過半数以外の方法に定めることもできます。
・たとえば、「過半数」ではなく、「多数決」にすることもできます。
逆に、重要事項の意思決定は「総社員の3分の2以上の賛成」などとすることも可能です。
こちらも読んでみてください➡「起業に必要なひと・モノ・カネ」
重要度高し!!法人の経理
〇経理の必要性
・法人を設立すると、事業年度終了後に決算申告を行わなければなりません。そのため、日々の事業活動における売上や経費を、しっかりと記録しておく必要があります。これを怠ると、いざ決算を行う際に、スムーズに書類を作成できず、期限までに決算申告が間に合わなかったり、誤った申告をしてしまい、後々の税務調査の際に大幅な追徴課税を受けるなど、大きな問題となってしまうでしょう。
・定期的に売上、経費の状況を把握しておくことで、決算時に支払う税額を予測し、それに対して節税対策を行うことができますが、決算のギリギリになってようやく状況がわかるのでは、節税対策ができる猶予が残されておらず、結果として多くの税金を納めることになってしまいます。
・創業当初の少ない人数の中で、本業の売上を稼ぎつつ、コツコツと経理業務を行っていくのは極めて難しいことですl。自身は本業の売上を稼ぐことだけに集中し、経理に関しては専門家である税理士に任せてしますほうが費用はかかることになりますが、安全性からも労力の削減からも良いかと思います。
(1)専門家(士業)とは
・行政書士、税理士、司法書士、弁護士、社会保険労務士などを総称し、「士業」と呼ばれています。
(2)各士業の役割
①行政書士
・行政書士の主な業務としては、官公署に提出する書類の作成や、提出手続きの代行となります。
・会社設立においては、定款の作成や公証役場での認証手続きの代行を行うことができます。
②司法書士
・司法書士の主な業務としては、登記の手続きとなります。
・会社設立においては、法務局へ提出する登記申請等の書類作成や、その提出の代行を行うことができます。
③弁護士
・弁護士の主な業務としては、代理人、言語人として法廷で主張をしたり、弁護を行ったりと、訴訟における手続きを担い
ます。
・法律に関する専門家ですので、契約書の作成や企業の顧問となることで、法務面のサポートをします。
④税理士
・税理士の主な業務としては、税務書類の作成や節税に対する助言等の税務相談を行います。
・会社設立後においては、決算書類の作成など、ほぼ全ての方が付き合うことになる士業となるでしょう。
➄社会保険労務士
・社会保険労務士の主な業務としては、労働関連の法律に基づく各種書類の作成や、提出手続きの代行となります。
・会社を設立した後、社会保険への加入手続きの代行や、就業規則の作成などを担います。
・労使間で発生する賃金不払い等の問題解決を図ることも業務として担います。
日々の金銭管理などで一番利用することになるのは、税理士の可能性が高いですから、「顧問税理士を決めよう」も参考になさってください。
合同会社の税金を理解しよう
〇税金の種類
法人が支払うべき税金の種類を理解しよう
① 法人税
・法人税とは、法人の毎期の事業活動によって得られる利益(所得)に対して課せられる税金です。
・法人税は、国が課す税金となり、国税の1種です。
・法人税は、利益(所得)に対して税率を乗じて計算されます。
計算式は「法人税額 = 利益(所得) × 税率」となっています。
② 法人住民税
・法人住民税とは、各地方公共団体(都道府県、市区町村)が課す税金となり、地方税の1種となります。
・法人住民税は、法人税額を基礎に課せられる法人税割部分と、法人の利益(所得)に関係なく課せられる均等割部分の2つに分けられます。
ぞれぞれの計算式は以下の通りになっています。
☆法人住民税 = 法人税割 + 均等割
☆法人税割 = 法人税 × 税率
☆均等割 = 法人道府県民税 +法人市町村民税
③ 法人事業税
・法人事業税とは、法人の利益(所得)に対して課せられる地方税となります。
・事業を行う上で利用する道路や港湾などの各種行政サービスへの対価という位置づけの精勤となります。
・法人事業税は、利益(所得)に対して税率を乗じて計算されます。
計算式は「法人事業税 = 利益(所得)× 税率」となっています。
④その他の税
・消費税
・不動産取得税
・固定資産税
・自動車税
(2)新設法人は消費税が免除
・消費税については、前々期の売上高が1,000万円を超えていれば納税義務が発生し、前々期の売上高が1,000万円以下ならば納税義務は発生しません。
・新設法人では、第1期、第2期において、前々期となる売上高が事業活動をしていないために存在しないため、消費税を納める義務はありません。これは起業した法人にいきなり重い税金がかからないので、経済活動を活発化させていることにもなっているでしょう。
税金の問題を会社内で解決するのは規模の関係からも厳しいこともあるでしょうから、「顧問税理士を決めよう」もご覧になって参考にしていただければと思います。
申請の実際の流れを見てみよう
〇実際の申請フロー
(1)日本政策金融公庫に申請する場合
・日本政策金融公庫に申請する場合には、近くの支店に足を運ぶことになりますが、名前等の個人情報についてある程度支店に伝えた場合、データベースを通じて他支店にまで情報共有されてしまう可能性があります。
① 事業計画書
・初めに準備するものは、事業計画書です。
・日本政策金融公庫からのHPから所定の事業計画書のフォーマットをダウンロードできますが、この所定の事業計画書のフォーマットでは、全て埋めたとしても情報量としては不足していると言ってよいでしょう。
・フォーマットにあるのは必要最低限の情報であった、これを埋めただけでは、まず事業計画が綿密に練られているとは言えません。
・店舗があるのであれば、その立地について詳しく記述する必要があります。商品に自信があるのであれば、その由来や実績等、詳細な情報が必要となります。
② 相談
・事前に準備しておくべきものについて述べます。
〇最終勤務先の給与明細表または源泉徴収票
○6ケ月分が記載された預金通帳
○住宅ローンや車のローンなどの借入金がある場合は毎月の支払額や借入残高のわかるもの
○自分が住んでいる不動産の賃貸借契約書
○6ケ月分の地代&家賃の領収書
○運転免許証、パスポート等写真付き身分証明書
○FC先などあれが契約内容などのわかるもの
③ 面接
・相談の後は面接があります。
・面接で問われる質問は、事業の話と個人の信用状況に関する話の2つです。
・事業の話としては、今後の事業計画についてしっかり話していただく必要があります。
・注意すべき点としては、やりたいことを話すのではなく、「必ず売上が出る」「利益が出る」という具体的な話にまとめてください。それも明確な理由が必要です。
・例えば、過去に創業する事業の経験がある場合などには、「過去の実績などからこれくらいの数字は想定できる」とか「周辺環境からみて妥当性がある」など説明できる根拠を考えておく必要があります。
・個人の話においては、ご自身の信用状況なそどを話していただくことになります。
信用情報、ご両親や親族の情報等、お金を貸せる状態がどうかを見極められますので、正直にお答えください。
④ 合否結果
・面接が上手くいけば、1週間程度で合否の連絡がきます。
これでOKが出れば、基本的には1週間以内に融資が実行されます。
(2)制度融資の場合
・制度融資は、銀行と保証協会が一緒になっての融資です。
・場所によっては、行政(商工会や商工会議所での手続きが必要なものもあります。
・大部分は日本政策金融公庫と同じですので、前項の説明を参考にしてください。
① 面接(銀行)
・事業計画書作成前後に銀行に足を運び、面接をします。
② 面接(保証協会)
・すぐに結果の出る日本政策金融公庫と違い、制度融資は保証協会にも回る必要があります。
・保証協会の面接は自宅や営業を始める予定の事務所、店舗にて行われることが多いようです。
・事務所や店舗の場合は、営業に向けて準備が進んでいることをしっかりアピールしましょう。
自宅の場合は、会社としての表札を出しておくことなども、1つのアピールになるようです。
・制度融資では、銀行ターンで1か月、保証協会ターンで1か月の合計2か月程度の時間が必要となります。
融資制度以外利用以外の資金調達方法として「助成金・補助金の上手な利用法」もご覧になってください。
合同会社ならではの融資の特色は??
〇融資における合同会社の特色
(1)融資における合同会社と株式会社の違い
・株式会社は経営者と従業員、株主で構成されますが、その中に出資比率というものがあります。創業融資においては代表者が、過半数以上の出資を持っていない限り、融資に際しての審査でネガティブにみられてしまいますので、代表者の出資比率には十分に考えたうえで決定していただきたいと思います。
・実際に出資している株主が別にいて、代表者がただ業務を担っているというだけであれば、いわゆる「雇われ社長」ということになり、融資に関して貸し主にネガティブな印象を与えます。
・株式会社と異なり、合同会社には株主という考え方がありません。代表社員として3名組み入れるのでありば、基本的に定款などで条件をつけなければ3名は対等な立場になります。株式会社の株主のように大株主とそれ以外で立場や周囲に与える影響力が全然異なるということはないと覚えておくといいでしょう。
・出資額に応じた権限というのは加味されないので、単純に用意した自己資金を合計するということができる可能性もゼロではありません。
(2)合同会社と株式会社、とちらが融資を受けやすいか
・合同会社と株式会社は組織の違いということでは、一般的に変わらないと思っていただいてよいと思います。外面的に株式会社と合同会社と名前は違いますが法人としてのあり方としては、ほぼ同じです。合同会社は小さい会社だからとネガティブなイメージを持たれているのであれば、アマゾンジャパン、アップルジャパン、モンスターエナジージャパン、西友など合同会社でも巨大な企業は存在しているので安心していただけたらと思います。
・そのため、合同会社だからと言って、融資が受けにくいということはないと考えていただいてよいと思いますので融資を受けるために本来は合同会社の方が自身の事業にはふさわしいのに我慢して株式会社を設立することにしたというようなことは気にしなくても問題ないということです。
融資制度の理解としては「活用できる融資の紹介(創業融資制度)」もご覧になってください。
活用できる融資の紹介(制度融資)
◎制度融資
・銀行+保証協会の「制度融資」について述べでいくことにします。
・日本政策金融公庫が厳しい前提条件(代表的な条件が自己資金になるでしょう)を設けているのに対して、少し緩和されているのが制度融資になります。
・この制度は事業所のある都道府県によって利用できる制度が変わりますので、利用しようと考えているのであれば、あなたが開業する都道府県がどのような制度になっているかを確認することは必須と言えるでしょう。
・一例として東京都における制度融資についての申請条件を下記に述べたいと思いますので参考にしてください。
①事業を営んでいない個人で、創業しようとする者
②事業を営んでいない個人で、自己資金があり、創業しようとする者
③創業した日から5年未満の中小企業者及び組合
④創業した日から5年未満であり、次のいずれかから出資を受けている中小企業者
(ア)東京都が出資するベンチャー投資法人傘下の投資事業有限責任組合
(イ)独立行政法人中小企業基盤整備機構の「ベンチャーファンド」
事業が出資する投資事業有限責任組合
⑤分社化しようとしる法人
・日本政策金融公庫の融資の申請条件と比較すると、事業に関する経験と、自己資金に関する要件がありません。そのため、基本的にはどなたでも申請することができますのかハードルは低くなっていると言えるでしょう。
・東京都の場合、1000万円が融資申請の上限金額となり、またその返済期間は設備資金であれば10年以内、運転資金であれば7年以内となります。
・日本政策金融公庫は申請してから融資が実行されるまでが平均1か月で程度かかるのですが、制度融資の場合は融資の実行機関が2か月に及びます。銀行、保証協会の2つの期間が制度に関わっていますので、このように審査に時間を要することになってしまいます。
・日本政策金融公庫に比べて、制度融資は資金使途が事前に全て決まっている必要があります。
・特に、設備資金として何かを申請する場合は、事前にすべての見積もりを用意することが必要となり、また、その品目と金額が事前の申請通りに使われていなければなりません。ここに違反が見られると、最悪の場合は資金引き上げということも考えられますので利用する際には資金をどのように使用するかをしっかりと考えておく必要があると言えるでしょう。
・「新創業融資は入り口が厳しく出口が柔軟」と言われています。
・「制度融資は入り口が広く出口が厳しい」と言われています。
会社を運営して継続していくためには資金の問題は避けることはできませんので、参考に「資金調達のコツを知ろう!」もご覧になってください。
活用できる融資の紹介(新創業融資)
新創業融資
・日本政策金融公庫による融資の申請要件は次の3つです。
①創業の要件
・新たに事業をはじめる方、または事業開始後、税務申告を2期終えてない方。
②雇用創出、経済活性化、勤務経験または習得技能の要件
・次のいずれかに該当する方
(1)雇用の創出を伴う事業を始める方
(2)技術やサービス等に工夫を加え多様なニーズに対応する事業を始める方
(3)現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方で、次の(ア)と(イ)のいずれかに該当する方
(ア)現在の企業に継続して6年以上お勤めの方
(イ)現在の企業と同じ業種に通算して6年以上お勤めの方
(4)大学等で習得した技能等と密接に関連した職種に継続して2年以上お勤めの方で、その職種と密接に関連した業種の事業をはじめる方
(5)すでに事業をはじめている場合は、事業開始時に(1)~(4)のいずれかに該当した方
③自己資金の要件
・事業開始前、または事業開始後で税務申告を終えていない場合は、創業時において創業資金総額の3分の1以上の自己資金(事業に使用される予定のない資金は、本要件における自己資金には含みません)を確認できる方
・その他の諸条件としては、1,500万円が融資希望金額の上限となり、またその融資の返済期間は、設備資金であれば10年以内、運転資金であれば5年以内となります。
・特に注意していただきたいのは、自己資金についてです。自己資金とは単純にお金があればよいというものではありません。通帳を確認してその残高(自己資金)が貯まってきた経緯のわかる資金が自己資金とされます。たとえば、通帳上、1回で100万円の振り込みがあった場合では、「自己資金100万円」とされるわけではありません。「30万円→50万円→80万円→100万円」と、給与やその他の雑収入を通じて貯蓄された経緯がわからないとなかなか自己資金にはなりません。まとまった金額の振込はどこからのお金がわからず、最悪のケースとして自己資金(自分のお金)ではなく借りたお金であるという可能性があるからです。例外として、両親や親族からもらうお金については、自己資金として見てもらえる場合があります。ただし、これは、自分で貯めた自己資金ほどはしっかりした資金としてみられません。
・創業融資における日本政策金融公庫の特色としては、自己資金と経験を非常に重視するという点が挙げられえます。制度上、100万円の自己資金に対して200万円までしか融資金額の申請ができないということもあります。また、立ち上げる事業に関わる経験を一定年数以上持っていることが前提条件としてあり、これらの条件があるほうが融資の可能性は高くなります。
融資制度利用以外での資金調達の方法を理解しておくためにも「資金調達のコツを知ろう!」もご覧になってください。
活用できる融資の紹介(創業融資制度)
創業融資制度とは
・創業融資制度は、これから会社をはじめられる方、会社をはじめてから決算で一定の期間を終えられていない方であれば、どのような方でも利用可能な制度になっています。
・創業融資制度を利用しようと考えた場合に申請先となる機関は以下の2つになります。
①日本政策金融公庫による「新創業融資」
②金融機関+保証協会による「制度融資」
・創業融資制度はは通常の融資と比較すれば多少は受けることが用意であるという面があります。
・通常の融資というのは、創業融資制度を利用しない融資のことです。
その場合、決算書や残高試算表を基に、現状の会社の業績によって大きく融資の可能性が左右されます。
・創業融資においてはほとんどの会社が、設立した直後に融資の申請をします。そのため、当然ながら、決算書も残高試算表もまだありません。融資の可否という点では、通常の融資と比較すると今後の事業計画が大切な要素となります。
・しっかりとした事業計画を立てることができれば、融資を獲得できる可能性が高まるということです。逆に言ってしまえば、事業計画書をしっかりと作成していない場合には、あなたの事業がいくら魅力的で将来性のある素晴らしい事業であったとしても、融資をするかどうかを決定する審査の段階ではまともに見られない可能性もあるということを十分に理解しておくことは大切でしょう。
会社を運営して継続していくためには資金の問題は避けることはできませんので、参考に「資金調達のコツを知ろう!」もご覧になってください。
« Older Entries