5月, 2017年
本店所在地を決めよう!!
本店所在地を決めよう!!
○本店とは、会社の法律上の住所です。
業務を行うメインの場所を本店として登記するのが一般的です。
会社を始めて立ち上げる、あなたの場合には最初のオフィスの住所を本店所在地として登記することになると思われます。
○本店とは異なる場所で業務を行うことも可能ですが、銀行口座の開設や許認可申請などの手続きの際に支障が出る場合があります。
そのような不都合がないか、必ず銀行窓口や許認可の監督官庁に事前に確認してください。
手間はかかるかもしれませんが、会社ができた後で不都合がでると修正する労力は設立前どころではなくなりますので、しっかりと確認をしておきていただきたいと思います。
○登記の際は、本店所在地の住所をすべて記載します。
○本店所在地の住所は、定款で決める方法と、発起人が別途決める場合があります。
発起人が別途決めた場合は、決定したことを記録に残しておくようにしましょう。
○本店所在地を決めるポイントを述べておきますので確認してみてください。
1.立地、イメージを考える
店舗など立地そのものが事業の盛衰に係るビジネスでは、効率よく集客できる土地を選ぶ必要があります。
また、住所事態のイメージを戦略的に利用することも考えられます。
2.価格を考える
創業したてでは、毎月支払うことになるオフィスの賃料は大きな負担となります。
会社の固定費というものは業績に関係なく常に支払うことを余儀なくされますので、固定費に関しては神経質なぐらいに考えておいても問題はないでしょう。
事務所を借りる場合には、資金繰りの面から無理のない範囲で決めていく必要があります。
事務所を豪華にするのが目的ではなく、あなたの会社が事業をすることが最大の目的だということを間違えないようにしてください。
3.バーチャルオフィスは極力避ける
各種詐欺などの犯罪防止の観点などから、会社の銀行口座の開設時にはかなり厳しい審査がなされます。
特にバーチャルオフィスが本店の場合、口座開設を断られる可能性があるようです。
バーチャルオフィスでもすでに何社も登記の実績があるようなオフィスであれば、金融機関の印象も違ってくるかもしれませんので、一概にバーチャルオフィスを使用すること自体がダメであるとは言えません。
特にオフィスでの行動がほとんどなく、外出先での業務が多くの占める場合にはオフィスの重要性が下がってきてしまいますので、あなたの会社のオフィスの重要性も考慮してバーチャルオフィスの利用を考えてみるといいでしょう。
バーチャルオフィスを提供している会社はほぼ間違いなく、低価格でレンタルオフィスもサービスとして提供しているでしょうから、実体が不明なバーチャルオフィスが不安視されるのではと思うのであれば小さいスペースでもいいのでレンタルオフィスを契約するという方法もあると思います。
4.郵便物が受け取れる場所にする
税務や社会保険に関する書類は、原則として登記上の本店住所に届くため、本店所在地は郵便物を受け取れる住所でなくてはなりません。
本店住所での受け取りが難しい場合は、転送届を出しておきましょう。
ただし、転送できないものもあります。
5.許認可業務の場合は条件を満たす
たとえば宅地建物取引業では、住宅の一室や、他の法人と同一の住所を本店とすることは認められていません。
許認可要件が近年緩和されているものの、業種により、本店所在地が自宅の場合、登記ができても事業が行えない事態もありえます。
こちらも参考にしてみてください➡「会社設立の5ステップ」
合同会社は株式会社より安く作れる?
合同会社は株式会社より安くつくれる?
★設立時の費用だけで判断してないですか?
創業時での絶対に必要な初期費用が安くできるといった考えから合同会社を選択する起業家のケースも見受けられるかもしれませんが、世間一般の認知度や信用、会社のイメージなどで、合同会社ではどうしても株式会社にはかなわない場合もあります。
会社の種類をよく理解している、あなたを含めた起業家の間の中ではそのようなイメージ等はあまり関係ないかもしれませんが、一般的な消費者の層はなんとなく株式会社の方が大きい会社なのかなという意識を持っている方々が多いのは事実です。
Amazonやappleが合同会社であると聞いて驚く人が大半であると思います。
Amazonやappleは日本の巨大な株式会社と比較してもはるかに時価総額では多いわけですからね。
この株式会社が大きいイメージは会社法が改正される前には有限会社と株式会社が存在しており、その中では有限会社の最低資本金が300万円で、株式会社の最低資本金が1000万円となっていましたので、規模の大きな会社が基本的に株式会社となっていたイメージが引き続き存在していることが大きいものと思われます。
この心配は会社法が改正されて合同会社が作れるようになってから、アップル、西友、モンスターエナジーなど世間的にも名前が知られている会社が合同会社であることを知っている起業家のあなたであれば、起業する段階であなたの会社を合同会社にするか株式会社にするかをよく考えて選択されることと思います。
一概に合同会社だから小さく、株式会社だから大きいのだとは断定的には言えなくなっているわけですね。
ただし、会社設立段階で必須の費用である登録免許税などは明らかに合同会社のほうが株式会社よりも安く作れることは事実です。
★変更には結構費用がかかるもの
一度合同会社を設立して、あとで思い直して株式会社に変更すると、余計に費用がかかってきます。
あなたが明確な目的があって合同会社を設立するのであれば全く問題ないとは思いますが、起業時の資金節約という1点のみから株式会社でなく合同会社を選択したのち、事業が進み始めた後で株式会社に変更したいと思ったときに手続きの煩雑さに参ってしまうということのないように、よく考えて選択してください。
単純に金銭面だけで判断せず、長期的に見て合同会社と株式会社のどちらがあなたの事業にはふさわしいのか、熟慮のうえで判断しましょう。
合同会社と株式会社で一番異なるのは登録免許税の支払う金額になりますが、事業を開始して売上が上がった段階で変更するつもりなら、迷わず株式会社を選択しておきましょう。
登録免許税の15万円と6万円を迷って後からさらに高額な変更手続き費用がかかったのでは目も当てられませんよね。
会社の形態を変更すれば、これまで使用していた会社の備品などにも変更する必要があるものが発生しますので、予期しなかった支出に頭が痛くなることもあるので覚えておいて損はないでしょう。
合同会社に関しては「合同会社の特徴を知ろう」も参考にしていただきたいです。
合同会社設立に必要な書類
合同会社設立に必要な書類
・合同会社の設立登記申請をするまでに必要な書類は、株式会社に準じるものが大半ですが、合同会社と株式会社との大きな違いを述べておきたいと思います。
・合同会社は会社法が改正されたときに、有限会社が廃止されたことにより、その部分を補う意味でできた形態の会社とも言えますので例外もありますが、一般的には株式会社よりも小さな会社に利用されるケースが多いようです。
1.定款に公証人の認証が必要ありません。
※株式会社では定款(会社設立時の定款のみ)の公証人の認証が必要になり、この費用だけでも5万円程度かかることになりますので、合同会社にする場合には、公証人の定款認証の費用が節約できることになります。
2.役員の名称が取締役ではなく業務執行社員です。
3.代表者の名称が代表取締役ではなく代表社員です。
4.設立時の出資者の名称が発起人ではなく設立時社員です。
○設立手続きの手間を省くために合同会社を選択しても、結局は株式会社と変わらないこともありますので、設立する会社を株式会社にするか合同会社にするか迷っている起業家の方も、一度じっくりと必要な書類であったり、設立に必須な費用であったりと、いろいろな事を見直したうえで設立する会社の形態を考えてみてください。
★有名な合同会社の例
あまり聞かない合同会社なのですが、意外にも有名な会社が合同会社であるケースもありますので、ここでは合同会社という形態も利用されているという証拠に誰もが知られている合同会社を少しだけ挙げていこうと思います。
・モンスター・エナジー・ジャパン
モンスターエナジーはアメリカのエナジードリンクメーカーです。
モータースポーツをはじめスポーツ観戦が好きな方は、選手がよくモンスターエナジーの緑色のマークが描かれたドリンクボトルを持って飲んでいるシーンをご覧になったことがあるでしょうから、よくご存知かもしれません。
日本でもほぼすべてのコンビニエンスストアにてエナジードリンクコーナーで売られていますので、飲んだことがなくて気にしてなかった場合には一度確認してみるのもいいでしょう。
世界最大のエナジードリンクメーカーであるオーストリアのレッドブルと並ぶ世界的にも巨大なエナジードリンクメーカーの日本法人が合同会社というのは意外なのではないでしょうか。
・西友
おなじみのスーパーである西友も実は合同会社であったりします。
別に合同会社だからといって、他の株式会社形態のスーパーよりも品揃えが劣っているなんてことはありませんよね。
あくまでも経営者の判断で合同会社を選択したわけで、お客様には特に問題ないですよね。
・アップル
日本では大好きな方が多数存在するアップルの日本法人も合同会社となっています。
・アマゾンジャパン
世界最大の通販サイトを運営するAmazonの日本法人も合同会社です。
Amazon創業者のジェフ・ベゾス氏は世界の長者番付でMicrosoft創業者のビル・ゲイツ氏に次ぐ2位の8兆円近い資産を持っているとされていますが、そのようなオーナーが存在しているのに日本では合同会社として活動しているというのは、驚く方が多いのではないでしょうか。
合同会社=小さなものと思っていた方にはびっくりする出来事だと思いますが、合同会社でも決して不利なわけではないので、起業家の方の判断次第と言えると思います。
合同会社の金銭面に関しては「合同会社は株式会社より安く作れる?」をご覧いただけたらと思います。
公告方法を決めよう!!

Select Pick Selecting Compare Selection Targeting Concept
公告方法を決めよう!!
○公告とは、決算のときや会社が合併するときなどに、社外に向けて情報を公開することです。
社外に情報を公開することの必要性は、会社を設立して事業を行おうと意欲に燃えているあなたにはわかることかと思いますが、会社のステイクホルダー(利害関係者のことです)は社内だけで完結されることは絶対にありませんので、公正な判断を株主や取引先などのステイクホルダーに知らせることが重要になってきます。
ちなみにステイクホルダーは株主であったり取引先はすぐに思い浮かぶとは思いますが、あなたの会社で一生懸命に事業に貢献してくれている従業員もステイクホルダーになりますので、くれぐれもお忘れにならないようにしてください。
○会社の設立にあたっては、公告方法を決め、定款に記載する必要があります。
公告方法は以下に述べていますが、公告方法はあなたの会社の形によって、最も使うことになりそうな媒体を選択することが、よりステイクホルダーに対して認知度が高くなると言えるのではないでしょうか。
○ここからは公告方法について述べていきます。
1.官報に掲載する
もっとも採用社数が多い公告方法が官報に掲載する方法です。
掲載費用は1行につき約2,500円と決められております。
記載する分量にもよりますが、1回の広告で平均して数万円かかります。
官報は公的なお知らせとして世間には認知されているものですから、情報の信頼性という意味では、以下に紹介する日刊新聞氏に掲載するや自社のウェブサイトなどインターネットに情報を掲載するよりも高いと言えるのかもしれません。
また官報は公的なものであるので、価格が飛びぬけて高くないということも、設立したばかりで資金はなるべく節約していきたいであろう、あなたの会社にとっては魅力的な選択肢となるかもしれませんね。
2.日刊新聞紙に掲載する
新聞社にもよりますが、1回の公告で8万~数十万円は必要になってきます。
小規模会社では、ほとんど採用されていない公告方法です。
新聞もそうですが、メディアの広告掲載料が莫大なことは周知の事実でしょうから多額の資金を準備してもいいのであれば、掲載をお願いしてもいいでしょう。
3.インターネットに掲載する
自社のWebサイトなどに掲載する方法です。
掲載したことを証明する必要があるため、意外と手間や費用がかかります。
大企業においては採用数が多い公告方法ですが、家族経営や小規模企業ではあまり採用されていません。(そもそもホームページを持っていなければインターネットに掲載する方法は初めからできません)
○大企業は、日刊新聞紙やインタ-ネットを利用して公告を行い、自社の業績を幅広く伝え、投資家を募集する場合が多いです。
○起業して間もない小規模な会社では、費用が比較的安い官報による公告を採用する場合が多いです。
特に定款に定めなかった場合には、官報を選択したものとして登記されます。
こちらも参考にしてみてください➡「会社設立にかかる費用」
事業年度を決めよう!!
事業年度を決めよう!!
○事業年度とは、事業の経営状態を明らかにするために設けた、会計の単位となる期間のことで、一般には決算期ともいわれます。
○事業年度の設定ポイントについて述べます。
1.決算までもっとも長くなるうように決めましょう
たとえば7月5日が設立日であれば、7月1日から6月30日までを事業年度にしましょう。
会社設立サポートネットでは設立日から決算が一番長くなる時期を決算日としてお勧めはしています。
理由は、これにより初年度も事業年度がもっとも長くなり、決算や税金の申告にかかる税理士費用などを抑えることができるからです。
決算にかかる費用は決算までの期間にかかわらず1回分の決算申告費用が同じように必要になるためです。
ただ、会社を設立する、あなたに絶対にこの時期を決算日とするような会社が作りたいという場合には、こだわりを優先したほうが事業に励むモチベーションが落ちることがないでしょうから、こだわりがあるようでしたら遠慮なく意見を述べていただいて、経営者であるあなたが最も満足できる日を決算日にするといいでしょう。
決算期までが長くなり、費用を抑えることを優先するか、決算日をこだわるかは、すべて設立して会社を大きくする役割を担うあなた自身が決めていいのです。
後々になった後悔をしないためにも、決してしぶしぶ決めるとか流されて決めてしまう事の無いようにしましょう。
後からこうすればよかったというのは本当にもったいないですからね。
2.繁忙期などを考慮して決めましょう
通常は、事業年度の終了日から2か月の間に決算申告書を作成します。
申告書の提出が遅れれば、延滞税がかかるおそれもあるので、なるべく繁忙期を避けた事業年度になるように調整しましょう。
決算申告書の作成を税理士に依頼する場合には、税理士側の繁忙期を避けるのがコツです。
調整することは悪いこととは言いませんが、あまりにも気を使いすぎてあなたの会社に悪影響がでるようなことは辞めるようにしましょう。
会社が大きくなっていて顧問の会計事務所などに依頼している場合には、会計事務所の方も顧問として顧問料をあなたの会社から頂いているわけですから、繁忙期だからと言って全く手続きができないということはないでしょう。
専門家とは対等な関係で付き合っていただけたらと思います。
少なくとも私どもでは会社を起業するあなたを尊敬してお付き合いをさせていただいています。
3.節税や資金調達を考慮してきめましょう
第1期目の事業年度をいつからいつまでにするかにより、消費税の節税につながったり、資金調達が有利になったりする可能性があります。
この項目については、判断が難しいので、税理士に相談するとよいと思います。
私どもでは士業のネットワークを駆使して信頼できる税理士さんをご紹介することはしていますので、頼める方がおられない場合にはお気軽にお尋ねください。
こちらの記事も読んでみてください➡「顧問税理士を決めよう」
実際に合同会社をつくろう
- 定款作成の準備
・定款(その会社のルールを記載したもの)とは、会社の目的や組織、業務などについて基本的なルールを定めたものです。
(1)商号について(使用できる文字、類似商号など)
・商号とは、会社の名前のことです。
・合同会社の商号を決定する際に、以下のルールに注意しなければなりません。
①「合同会社」という文字を商号中に使用すること。
(例)「〇〇〇合同会社」「合同会社〇〇〇」
②会社の一部門を示す文字は使用できない場合がある。
(例)「合同会社〇〇〇埼玉支店」
③使用するために、一定の要件や許認可が必要なもじがある。
(例)「銀行」「消費生活協同組合」「信託会社」「保険会社」「証券会社」
④使用できる文字には制限がある
・使用可能な文字は、漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字、アラビア数字や「&」「’」「-」「.」「・」等の符号となります。
➄「合同会社」を略することはできない
・「(合)〇〇〇」
(2)目的について(目的の決め方、許認可との関係での問題)
・目的とは、設立する会社が行うビジネス(事業)の内容のことです。
・目的を定める場合の注意点は次の通りです、
①将来行うかもしれない事業も記載しておく
・事業目的を定める場合には、現実に営んでいる事業やすぐに始めたい事業だけでなく、将来的に営もうとする事業も記載しておくほうがよいでしょう。
・目的の数に制限はありません。ただし、「適法性」「営利性」「明確性」を具備していなけらばなりません。
・「明確性」については、当該会社がどのような営業活動をするものであるかを「第三者」が判断できる程度に明確にしておく必要があります。
・目的の最後に、「前各号に附帯する一切の事業」と記載しておけば、さらに目的の範囲が広がります。
②許認可を要する業種
・事業の開始時に許認可を要する業種(建設業、宅建業、労働者派遣事業、産廃業、酒類製造業、薬局、質屋、古物商、飲食店業、銀行業、ガス事業など)が入っているときは、関係行政庁に打診しましょう。
(3)本店所在地について
・本店所在地とは、本社を置く住所のことです。
・定款に記載する方法は2種類あります。
① 町名・番地まで記載する。
(注)本社を移転すると必ず定款の変更手続きが必要になります。
② 最小行政区域を記載する。
・最小行政区とは、「市町村」及び「東京23区」と「政令指定都市の区」のことです。
(注)本社を最小行政区内(同じ市区町村内)の移転ならば定款の変更手続きは不要です。
(4)社員について(社員とは何か)、業務執行社員、代表社員とは
・合同会社の社員とは、合同会社を設立する際に必要なお金を出資する人のことを言います(株主=社員の意味です)。
・会社を設立する際にお金を出資する人は、必然的に社員として定款に記載しなければなりません。
・合同会社の社員として法人、つまり他の株式会社が合同会社の社員になることも可能です。
その場合には、その法人の取締役会などで合同会社の職務を執行する人を決めなければなりません。
ただし、法人が「業務執行社員」にならない場合には職務執行者をきめなくてもよい場合もあるようです。
・合同会社の社員(出資者)には、原則として会社の代表者として業務執行権と代表権があります。
そのため、他の会社との取引など重要なことも、1人ひとりの社員(出資者)の名前と印鑑だけで契約を取り交わすことができます。
(5)業務執行社員とは
・複数名で合同会社を設立した場合、社員(出資者)全員が経営に参加するなら問題はないのですが、「お金は出すけど経営は面倒なのでやりたくない」もしくは、「経営は経験豊富な〇〇さんに任せたい」等の理由から、経営に参加したくない方もいると思います。
このような社員(出資者)がいる場合は、「業務執行社員〇〇」と定款に定めることにより、業務執行権のある社員と業務執行権のない社員に分けることができます。
・定款に業務執行社員を定めた場合、その社員は「会社経営に参加する社員(業務執行社員+出資者)であり、業務執行社員として記載しない社員は、「出資はするが経営には参加しない者(単に出資者)」となります。
(6)代表社員とは
・代表社員とは、会社の代表者を示す名称です。
・業務執行社員を定款で複数名(2名以上)定めた場合(さだめなかった場合も)は、社員それぞれが代表権を持つ社員(出資者であり、業務執行社員であり、代表社員である者)が複数名(もしくは全員)存在することになります。
・複数名(もしくは全員)の社員(出資者)が会社の代表権を持ってしまうことは、
「誰がその会社の代表者か(責任者は誰か)がわからない」
「各社員がそれぞれ勝手に契約(意思表示)してしまう可能性がある」
「きちんと他の役員の間で意思が統一されているかわからない」等、
取引を不安にさせてしまいます。
・そのようなトラブルを防ぐために、株式会社等のように「会社を代表する者」を1人(もしくは数名)に決めておくとよいでしょう。
(7)資本金について
・資本金は1円以上で設立可能です。
・資本金額は登記事項ですので、履歴事項全部証明書(登記簿謄本)にはバッチリ記載されます。
履歴事項証明書は誰でも数百円で取得可能ですので、誰かがあなたの会社の資本金額を調べようと思えば、いつでも調べられるわけです。
・資本金額とは信用性の指針の1つなのです。
・資本金は、万一の際(倒産時)には返ってこないお金ですので、資本金を多く設定するということは信頼性の表れであり、事業にかける熱意・真剣度の表れとも言えます。そういう意味では、あまり過少にならず、かつ倒産時に痛手を負わない金額で考え、設定することをお勧めします。
・資本金は、そのまま使うことのできないお金ではなく、会社設立後は自由に事業用に使えるお金ですので、3~6か月程度の運転資金額を資本金として設定しておけばよいでしょう。
(8)社員の出資の目的(有限責任社員にあっては金銭等)及びその価額または評価の標準
・「社員の出資の目的及びその価額または評価の標準」とは、合同会社を設立する際に社員となる者が資本金として振り込む金額(または、現物出資した場合には、その現物の評価額)のことをいいます。
・合同会社の各社員は出資義務を負い、信用や労務の出資(合名会社、合資会社の無限責任社員は認められる)は認められておらず、また設立の登記をする時までに出資金額の全額振込みを要します。
・社員が1人の場合は、「社員〇〇出資金額〇〇万円」と記載し、社員が複数名いる場合には、「社員〇〇出資金額〇〇万円。社員〇〇出資金額〇〇万円。」というように社員数と各自が出資した金額をそれぞれ記載します。
(9)公告の方法
・「公告」とは、法律で決められた出来事(決算や合併、分割、組織変更、解散等)が起きた場合に、その事柄を広く一般に知らしめることを言います。
・手段としては、次の3つの方法があります。
①官報に掲載する
・「官報」は国が発行する機関誌で、決算公告の掲載料は、約5~9万円となっています。従来から幅広く利用されてきた方法で、最もポピュラーな方法です。
②時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する
日刊新聞紙はコストがかかりすぎてしまうので、中小企業には使いにくい方法です。
③電子公告に掲載する
・「電子公告」自社のホームページを利用して公告を行うことです。
・費用については、電子公告の場合、登録を受けた調査機関の電子公告調査を受けるものとされており、調査機関ごとに異なります。
公告の種類や期間によっても異なりますが、最低でも約13万円の費用がかかってきます。
・官報とは異なる条件
①貸借対照表などの全部の掲載が必要
②5年間継続して掲載することが必要
③合併、資本減少、組織変更など決算以外の公告では調査機関の調査が必要
・電子公告による方法をとる場合は、定款には「電子公告により行う」旨を記載するのみで、計算書類が掲載されているページのURLを定款に記載する必要はありません。
公告はほぼ決算公告のみで、コストをなるべく抑えたいということであれば、電子公告は利用しやすいかもしれません。
・公告方法はあくまで官報としておき、解散書類をホームページなどの電子公告を利用して電磁的に公開するという方法をとることも可能です。
・公告方法を定款で定めなかった場合は、自動的に官報に掲載することになります。
(10)合同会社における経営の意思決定
・合同会社は、定款で特別に業務執行社員等を定めなければ、合同会社の社員(出資者)全員が会社の代業者となるので、すく数の出資者で合同会社を設立した場合、会社の経営に関する意思決定は、原則、出資者全員の過半数の同意によりおこなうものとされています。
・定款で業務執行社員を限定した場合は、業務執行社員の過半数で決めることになっています。
・業務執行権を持つ社員の人数が多い場合には、「過半数」では、いつまでたっても意見がまとまらない可能性があります。そのため、定款で意思決定の方法を過半数以外の方法に定めることもできます。
・たとえば、「過半数」ではなく、「多数決」にすることもできます。
逆に、重要事項の意思決定は「総社員の3分の2以上の賛成」などとすることも可能です。
こちらも読んでみてください➡「起業に必要なひと・モノ・カネ」
事業目的とは何か?
事業目的とは何か?
○事業目的とは、その会社が行う事業内容のことです。
○会社は、事業目的の範囲内でのみ活動できるのです。
○事業目的は、登記され、取引先など第三者が見ることも多い項目です。(登記簿を見れば誰でもわかります)
○設立してすぐに展開することを決めている事業だけでなく、将来的に行う可能性があるすべての事業を記載しましょう。
○たとえば、飲食店を始める際、将来的には事業を拡大し、フランチャイズ展開も考えている場合などは、フランチャイズに関する項目も事業目的に入れておくようにしておきましょう。
後からでも事業を追加することができないわけではないですが、そのためにはわざわざ変更届を提出する必要がありますので、少しでもあなたが行いたいと思っていたり、あなた以外の創業メンバーでも行う可能性のあるかもしれないという事業は必ず入れておくといいでしょう。
理由は単純で後で目的を追加するなどのややこしい手続きから解放され、スムーズに事業を広げることが可能だからです。
★事業目的を決めるときのルールを理解しよう
1.適法性があること
商号と同じく、公序良俗に反する事業目的は当たり前ですが認められることはありません。
また、他の法律により特定の事業の独占業務とされているもの(士業「行政書士」「弁護士」などの肩書がつくものの業務など)も認められません。
2.営利性があること
会社は基本的に営利目的の組織であるため、ボランティアや寄付などの活動は会社の事業目的として認められません。
もしあなたが営利を追求しない組織を作りたいのであれば、営利集団である会社ではなくNPO法人などの非営利法人の設立が最適なのではないでしょうか。
3.明確性があること
事業目的は、一般に広く認知された言葉を使用して記載する必要があります。
略語は、一般人が見て理解できる表現にするようにしましょう。
たとえば「FC]であれば「フランチャイズ」と記載するようにしましょう。
ただし、「CD]など一般的に使われている語句は使用できます。
★事業目的の記載ポイントを理解しよう
1.将来的に行う可能性がある事業も記載するようにしましょう
設立後すぐに展開する事業以外に、将来的に行う可能性がある事業も記載しましょう。
一度登記したあとに、事業目的を増やして登記し直す場合は追加で登記費用がかかります。
2.許認可業種について考慮しましょう
事業によっては事前に許認可が必要となるものもあります。
許認可ごとに、事業目的への記載方法が異なるので、あらかじめ監督官庁に確認する必要があります。
3.本業を最初に記載しましよう
基本的に、一番上に記載する事業目的があなたの会社の本業を意味すると考えましょう。
以降は将来的に行う可能性が高いものから順に記載していき、最後に、業務に付随する細かな業務と言う意味で「前各号に附帯する一切の業務」という文書を加えましょう。
4.必要以上に多く書きすぎないようにしましょう
数十個の事業目的を並べた場合、登記簿をみた方が何をやっている会社か伝わらず、対外的なイメージも悪くなってしまう可能性があります。
イメージというものは結構大切で、最初にあなたの会社に仕事を依頼するときには、あなたの会社の実力がわかりませんので、それだけに仕事はこれをやっていますということで信頼感を出すことが特にはじめてのお客さんには大切なわけです。
あなたが仕事を依頼するときに、例えばですが、何でも屋さんと引っ越し屋さんではどちらが何をやっているかを考えれば理解できると思います。
また、許認可事業で本業と関係ないものが入っている場合は、創業融資の審査が通りにくくなってしまう可能性もありますので、多くても10個程度に抑え、事業の焦点を絞ることも大切ですので覚えておきましょう。
事業目的がはっきりとしたら「起業に必要なひと・モノ・カネ」もご覧になってみてください。
同一商号の調査
同一商号の調査
○他社と同じ商号を使っていないか調査をしましょう。
○著名な商号と同一または類似の商号の使用は、不正競争防止法で禁止されております。
極端な例を出しますが、家電量販店の大きな会社としてヨドバシカメラがありますが、新しく会社を設立しようとする、あなたが違うから問題ないだろうとヨドハシカメラという会社を作ったとします。
会社自体は微妙な名前でも設立できるかもしれませんが、おそらくはかなり高い確率でヨドバシカメラから会社名が似ているということで訴えられることになるのではないでしょうか。
○たとえ著名でなくても、同業者の商号と同一または類似の商号を用いることは、顧客を混乱させるおそれがあるため禁止されています。
○他社から「営業禁止請求」を受ける場合もあります。
○他社が商標登録している場合には、それと同一または類似の商号を使用することは商標権の侵害にあたる場合があります。
○現在登録されている商標は、独立行政法人工業所有権情報・研修館が提供する「特許電子図書館」で検索することができます。
○より詳細に調査したい場合は、専門家である弁理士に相談しましょう。
○類似商号の調査方法について述べます。
1.インターネットで調べる
インターネットで商号の候補を検索しましょう。
類似のキーワードもまとめて検索されるので、同じ商号だけでなく似たような商号がないかも調べておきましょう。
2.法務局で調べる
本店所在地管轄の法務局で、必要事項を記入した閲覧申請書を提出すると、国内にあるすべての会社の商号を掲載したファイルが閲覧できます。
その際、印鑑が必要となるので認印を持参しましょう。
同一商号を調査した後は起業に向けて必要な知識である「起業に必要なひと・モノ・カネ」もご覧になってみてください。
商号を決めよう!!
商号を決めよう!!
○商号とは、いわゆるこれから事業を始めていくあなたの会社名のことです。
○これから社長として大切に育ててゆく、あなたの会社の名前ですから、あなただけでなく会社を設立するときの協力者全員の「想い」が詰まったすてきな名前を、じっくりと考えてください。
○商号を考える作業は、設立する会社の事業コンセプトや将来のビジョンを考えるよい機会でもありますので、名前程度などと簡単に思わずに、じっくりと気持ちを込めて決めていただきたいと思います。
○あなたが社長になり、他の人から社名の由来を聞かれたとき、誇りをもって話せるものにしたいですね。
○覚えておきたい商号決定のルール
1.使用できない記号があります。
記号については「&」「’」「、」「-」「.」「・(中点)」が認められています。
ただし、商号の頭や末尾には使用できません。
また、「!」や「?」、「@」などの記号は使用できません。
アルファベットやアラビア数字(1,2,3・・・)は使用可能です。
2.会社の種類を必ず入れましょう。
株式会社をつくるなら「株式会社」、合同会社をつくるなら「合同会社」の文字を、商号の頭か末尾につけなけらばなりません。
例:○○株式会社、株式会社○○、○○合同会社、合同会社○○という風にしておくことを覚えておきましょう。
3.会社の一部門を表す語句は使用できません。
商号の中に「支店」「支部」「支社」「事業部」など会社の一部門を表す語句を入れることはできません。
4.特定業種のみに使用できる語句があります。
「銀行」「信託」「保険」は、実際にこれらの業種でない限り使用できません。
この銀行、信託、保険の語句はいずれもお客様の大切な資金を扱う公的性が極めて高い業務ということで、名前の通りの業務をしない会社では名乗ることができなくなっていると思っていてください。
銀行でもないのに銀行の名前を使ってお客様が間違ってしまっては、結局は起業したあなたにも仕事に支障が出てきますよね?
5.公序良俗に反する語句は使用できません。
わいせつな語句や犯罪に関連するような語句(「麻薬」や「殺人」など)は使用できません。
会社を設立して大きくしたいと思っているであろう起業家のあなたがわいせつな語句を使用して事業をしたいとは思わないでしょうから、一応そういうこともあるんだ程度にだけ記憶しておくだけで問題はないとは思います。
6.同一住所で同一商号は使用できません。
同一住所に同一商号の会社を登記することはできません。
会社を始めるにあたって非常に大切な「起業に必要なひと・モノ・カネ」もご覧になってみてください。